スペアエアは携帯用の小型呼吸装置で別名、緊急脱出呼吸装置とも呼ばれています。主に捜索救助などのレスキューの現場で使用され、日本では自衛隊、警察、消防、海保などが標準導入しています。水中だけでなく、陸上で、火災などの現場でもご使用いただけます。 当製品の値段につきましては直接お問い合わせくださいませ →お問い合わせ
商品サイズ: | 245mm x 58mm x 25mm (高さx直径x幅) |
重量: | 987 g |
説明
本製品のご紹介
- スペアエアとは
- スペアエアの仕組み
- スペアエアのパーツ別機能紹介
- スペアエアの空気の消費量
- メンテナンスについて
当製品の使用にあたって、高圧ガス保安法の定める要件を満たさなければなりません。当社は当製品を輸入するにあたって高圧ガス保安法が定める輸入検査、ならびに法定検査を全てクリアしています。
→スペアエアを使用するための法律要件
スペアエアとは
- スペアエアとは
- スペアエアの仕組み
- スペアエアのパーツ別機能紹介
- スペアエアの空気の消費量
- メンテナンスについて
当製品の使用にあたって、高圧ガス保安法の定める要件を満たさなければなりません。当社は当製品を輸入するにあたって高圧ガス保安法が定める輸入検査、ならびに法定検査を全てクリアしています。
→スペアエアを使用するための法律要件
スペアエアとは
スペアエアは呼吸装置(=レギュレーター)と空気を充填するためのアルミニウムシリンダーからなる水陸両用の小型の緊急呼吸装置で、火災等による煙、有毒ガス、気化した有機溶剤により呼吸が困難になった場合、また、水中で短時間呼吸する必要が生じた場合に使用するものです。
スキューバーダイビングで、ダイバーがエアー切れを起こした場合に使用する緊急浮上の際に使用されるバックアップ用の予備呼吸装置として米国で開発されました。
(スペアーエアー(Spare Air) は、予備空気の意味です。)その後、米軍と共同開発が行われ、ヘリコプターが水上に不時着し、水中に沈みつつあるヘリコプターから脱出するとき、水中での呼吸を確保する呼吸器としてさ採用されました。
口にくわえればすぐに水中呼吸できるタイプです。HEEDはHelicopter Emergency Exit Device(ヘリコプター緊急脱出用器具)の略です。水中での使用は、スキューバーダイビングの呼吸器と同じです。
米国では、消防署、海軍などで標準装備品に指定され広く採用されています。
スペアエアの仕組み
マウスピースに口をつけ空気を吸引しようとすると、レギュレーター内部の気圧に変化が生じ、ダイアフラムと呼ばれるシリコンでできたゴム状の弁が内側に落ち込みます。
ダイアフラムがレギュレーターの内部に落ち込むと同時に、ダイアフラム内側に設置されている金属板が、ハウジングレバーと呼ばれる、圧縮された空気を減圧して放出する機構をプッシュして空気が減圧器(レギュレーター)に流れ、空気が吸引できる仕組みになっています。
マウスピースを通して吐かれた息は、レギュレーターの内部に空いている穴から、レギュレーター下部のオレンジ色をした排気弁を通って排出されます。
スペアエアのパーツ別機能詳細
レギュレーター
レギュレーターはシリンダーに圧縮されている空気を減圧する装置です。このレギュレーターには強制的に空気を排出するためのパージボタン(排出ボタン)、空気を吸引するためのマウスピース、そして空気を注入するためのチェックバルブが取り付けられています。
パージボタン
一枚目の写真はスペアエアを上部から撮影した写真です。中央の丸い部分がゴム製の素材でできており、中央付近を指で押すと内側にたわみ、二枚目の写真の排気弁から空気と水がパージ(排出)されます。
通常、スキューバーダイビングで使用するレギュレーターはホースを介して第一ステージと第二ステージに別れています。第一ステージはタンクと直結している減圧器(レギュレーター)で、第二ステージはホースの先端に繋がれた減圧器(レギュレーター)です。第二ステージからダイバーは空気を吸引します。
本来、パージ(空気の排出)を行うといった場合は、第二ステージに溜まった水をパージボタンを押すことによって空気と一緒に強制的に輩出します。
スペアエアの場合も同様にパージボタンを押すことによって減圧器(レギュレーター)内部に溜まった水を空気と一緒に強制的に排出しますが、スペアエアは空気を吸引する減圧器はシリンダーと直結しており、第一ステージからそのまま空気を吸引する仕様になっています。
そのため、パージボタンを強く押して勢いよく減圧器内部に溜まった水を排出しようとすると、通常の第二ステージからパージするよりも、放出される空気の勢いが遥かに強いため、加減しないとあっというまに空気の残圧が少なくなってしまいます。
パージについては、特に水中では注意が必要です。
インジケーター(残圧指示器)
インジケーターはシリンダーに充填されている空気の残圧量を示す装置です。上の写真では中央に切り込みの溝があり、中央にピンが設置されています。残りの空気圧が少なくなるにつれて中央のピンが溝の内側に落ち込んで行きます。逆に満タンに充填されていればピンが溝の一番高い位置にきます。
チェックバルブ
チェックバルブは空気を充填するときに充填器具を取り付ける場所です。通常はキャップがついています。スペアエアの充填はコンプレッサーでも可能ですが、スキューバーダイビングで使用される大型のタンクから充填することができます。
マウスピース
ここから空気を吸引します。マウスピースは劣化が早く、特に海水での使用頻度が高いとダメージを受けやすくマウスピースに亀裂が入ることは良くあります。そのため、マウスピースは3年毎に実施される定期検査、及びオーバーホールにおいて定期交換部品になっています。
シリンダー
シリンダーはこの小型のタンクのことで、長さはおよそ16.5cm~17cmで、容量が48ℓになります。48リットルの容器に対して206Mpaの空気を圧縮して充填します。シリンダーは1年毎に目視検査、そして5年毎に耐圧検査を行い、法定基準をクリアします。 →タンクのメンテナンス、検査について
中間バルブ
中間バルブはシリンダーとレギュレーターの中間にあり両者を繋いでいる部品になります。
高圧ガス保安法では、高圧ガス充填タンクには、法で定める規格で製造されたバルブ(法律では付属品と呼びます。)を取り付けることを義務付けています。
Spare Air レギュレーターは、米国との法整備の違いから、法で定める規格であることの証明ができません。その為、高圧ガス保安法に基づいて製造された、国産バルブをタンクとレギュレーターの間に取り付けてあります。
スペアエアの空気消費量
水中の場合
スペアエアの空気は48ℓしかありません。常に空気残圧を気にしながら呼吸の回数をコントロールしなければ空気残圧はみるみるうちに減って行きます。水中から緊急浮上する場合は冷静になって呼吸回数を最小限に減らす必要があります。
スペアエアを使用する際、成人の男女の一回の呼吸に使用される空気の量はおよそ平均で2.5ℓです。下の表は一呼吸で消費する空気の量を2.5ℓで換算して、水深25メートル付近から緊急浮上する際の呼吸の回数の目安です。
深度 | 一呼吸あたりの空気の消費量 | 呼吸する回数 | 空気消費量 | 累計 |
---|---|---|---|---|
25m | 2.5ℓ | 3.5 | 8.75ℓ | 8.75 |
20m | 2.5ℓ | 3.0 | 7.5ℓ | 16.25ℓ |
15m | 2.5ℓ | 2.5 | 6.25ℓ | 22.50ℓ |
10m | 2.5ℓ | 2.0 | 5.0 | 27.50 |
5m | 2.5ℓ | 1.5 | 3.75 | 31.25 |
2.5m | 2.5ℓ | 1.25 | 3.125 | 34.38 |
空気使用量合計:およそ35ℓ, 空気残量、13ℓ |
陸上での使用
48ℓの空気は、通常1分30秒から1分40秒ほどの呼吸(1呼吸1.6ℓx30呼吸)ができ、水平距離にして150m移動できます。
スペア・エアのメンテナンスについて
スペアエアのレギュレーターを構成する部品は多岐にわたり、シンプルな見た目と裏腹に内部の構造は複雑です。分解処理を施してレギュレーター内部のクリーニング、メンテナンスを実施するには特殊な工具と熟練の技術が必要になります。
また、極小さなチリやホコリもレギュレーター内部に存在すると空気の漏えいなどの不具合につながるので修理環境を整備することも非常に重要です。そのため分解メンテナンスの作業をご自分で行うのは全く推奨できません。
当社は代理店契約を結んでいる”submersible社“から日本で唯一正式に、スペアエアの定期検査、およびオーバーホールなどの修理技術認定を受けています。
当該製品をご使用の際に不具合が発覚した場合はご自分でなおそうとせず、当社にメンテナンスを依頼していただくようお願い申し上げます。→スペア・エアのメンテナンスについて
商品スペック
型式 | AS-170 |
シリンダー数 | 1 |
長さ(高さ) | 245 mm |
充填圧 | 206 MPa |
重量 | 987 g |
充填量 | 48 ℓ |
一呼吸あたりの空気消費量 (水中) | 2.5 ℓ |
一呼吸あたりの空気消費量 (陸上) | 1.6 ℓ |